徳島すぎの特長
1.強い生命力
成長が早く、水分等の条件さえ良ければ千年でも生きる生命力があります。
2.上にまっすぐ成長
木理がまっすぐ通っており、加工しやすい性質を持っています。このため、梁・桁などの大断面で力強い構造材から、日本家屋の特徴であるふすまや障子などの軽さと強さが求められる建具まで、幅広く利用されてきました。
3.強く、やさしく、美しい
「色目のやさしさ」に加え、粘り強い強度や優れた耐久性を有しています。徳島には築200年を超える民家が多く残っているように、こうしたスギ本来の力を活かせば、地震・台風などに耐える性能が発揮できるのです。
4.家族の健康を守ります
赤ちゃんや主婦など、多くの人が一日の大半を過ごす家。実は“食の安全”と同じくらい、“家の材料の安全性”は大切なものです。スギには本来、シロアリに強い成分があるだけでなく、殺菌効果、芳香・消臭効果、沈静効果、調湿効果、防音効果などがあるため、私たちの健康にとって、とても心強い味方となります。
5.環境保全・地域貢献になります
徳島の森林は、樹齢60年以上の高齢木の割合が高く、資源が充実している状態です。これを適度に利用し、新しく苗木を植えることで、森林が二酸化炭素を吸収して酸素を作る力を高めます。木の年齢バランスが取れた森は命を育む豊かな森になり、結果的に、豊かな海をももたらしてくれます。そして、こうした循環を取り戻すことは、何百年にもわたって継承されてきた、徳島の卓越した林業の文化を、次世代につなげることにもなります。
6.今がベストタイミング
近年利用が減っていたことで、結果として良質な材木の在庫が豊富な今の森。全国で放置林が増えるほど、かつてより価格も下がっているうえ、国や県も木造建築物を奨励するようになり、さまざまなサポート体制も充実しています。今は、品質・価格・システムと三拍子そろった、まさに“スギの使いどき”なのです。
7.風土・地理・歴史・技術が生み出す高品質
「徳島すぎ」の優れた品質は、徳島の気候・風土や歴史と相まって、先人が長い年月をかけて作り上げてきたものです。
徳島の山の急峻な斜面で、倒れないように踏ん張りながら育ったすぎには、粘り強さがあります。また、日本有数の雨が多い環境で成長するため、腐りにくく長持ちします。これは、16世紀ごろから活躍していた阿波水軍の舟材や、屋根の板材として使われてきたことが物語っており、現在でも外壁材として高く評価されています。
また徳島は、紀伊水道を挟んで京阪神という大消費地に面し、地理的・経済的条件に恵まれていました。この大きな市場へ高品質な材料を供給するために、徳島すぎの美しい色目やさまざまな性能を活かす乾燥技術や、板材を速く薄く引く加工技術を、全国トップクラスにまで高めてきたのです。
8.大切にしたいもの-“木のプロ”の誇りです
さまざまな条件はありますが、「徳島すぎ」の高品質を支えてきたのは、やはり「林業にかけては徳島は先進地である」という、生産者や関係者の、志と誇りです。
何十年も木が生きてきた、その“命”と“力”を使う。「木を使う」とは、そういうことです。木は、生きものです。だから当然、ひとつとして同じものはありません。育つ場所や育ち方によって一本一本違う個性があります。それを熟知した人の手で、適切に乾燥・加工されることで、その木が持つ良さが、ますます引き出されるのです。
木材を使う上で、現在では法律でさまざまな規制が設定されていますが、その規制数値に表れない違いまでを見極める、木を知り尽くした経験と感覚で、一本一本の木の個性に合わせた対応をしているのです。
木を想い、人の暮らしを想い、100年先の森を考える。
そんな“木のプロ”が、徳島にはたくさんいるのです。