徳島すぎと環境問題

家を建てる際に木を使うと、森林が減り環境破壊につながりませんか。

日本の国土面積のうち約3分の2が森林です。そのうち約4割に相当する1,029万haは人が植え育てた人工林であり、終戦直後や高度経済成長期に伐採跡地に造林されたものが多くを占めています。その半数が50年生を超え本格的な利用期を迎えています。本県でも県土面積の76%を占める31万1千haが森林で、そのうち人工林は60%と全国平均を上回っています。徳島の山にはその利用を待っているスギ、ヒノキが多く育ってきました。しかしながら資源の充実に反比例するように林業は低迷しています。一方、森林ではシカなど野生鳥獣が増えており、植林木の食害が大きな社会問題となってきています。林業は苗木生産、植え付け、下刈り、徐伐、間伐など利用するまでに多くの手間がかかり、手入れされない森林は暗く不健康なものとなります。先人が植え育てた徳島の山を活かすため、住宅など建築物へ利用し、植えてまた育てる「林業のサイクル」を持続させることが、この森を未来につなげるための大事な事になると考えています。

何歳ぐらいの徳島すぎを材木にするのが最適なのですか。

木材をいつ伐採するかは、地域の環境、土壌の肥沃度、林業施業、木材の利用形態によって判断しなければならないと思います。また最近では樹木の二酸化炭素吸収能力が注目され、地球温暖化に貢献できる素材として期待が高まっています。木材は樹木で生育している時に、二酸化炭素を吸収し伐採され建築材料として利用される際にも炭素を固定することができます。徳島県農林水産総合技術支援センターが京都大学らと那賀町の95年、100年、130年のスギを樹幹解析して調べた際には、高樹齢になっても成長は衰えていませんでした。最近では樹木の成長はこの例のように、高樹齢になっても衰えないことが研究されています。地域によって事情は異なると思いますが、徳島においては樹齢60年生から80年生ぐらいが、材質の面、林業経営上の面、気象災害を避ける観点からベストだろうと考えております。あまり樹齢が進むと樹高が高くなり、場所によっては風害のリスクもあります。また、樹木の場合、15〜20年までに形成された細胞は未成熟材ですので、強度性能が劣り、建築材料としても使えないものとなります。さらに、森が森である期間が長い方が、その間、土砂災害防止機能、水源涵養機能、生物多様性保全等を発揮することができます。(※参考 林業改良普及双書 No.153 「長伐期林を解き明かす」 抜粋)

長生きの徳島すぎを使った方が色々といいことがあるというのは本当ですか。

徳島すぎに限らず、木材は適切な環境で使用すれば木材は長期に耐用する優れた材料です。特に腐朽菌は木材の主要成分(セルロース)を分解するため強度を低下させ、耐久性に大きく影響することになります。腐朽菌が生育・活動するためには空気(酸素)、温度、水分、栄養分が必要ですが、木材と長く付き合うためには、水を侵入させず湿気の多いところで使用しないことなど注意が必要です。樹木は樹齢が進むほど心材化が進み、耐久性成分が豊富に含まれる材料となります。光合成によってできる炭酸同化量には限りがあり、生活機能をつかさどっていた組織は、あるとき死細胞と化します。そのときに虫や菌類の繁殖を防ぐために耐久性成分を出すのが心材化と呼ばれる現象です高樹齢の徳島すぎにはこうした耐久性成分が多く含まれますので、建築材料として長期に耐用するのです。

腐朽菌が生育・活動ができる条件
酸素空気中(水面下の木材は腐朽せず)
温度3~45℃(好適:24~36℃)
水分木材含水率25~200%(好適:80%)
栄養分木材中のセルロース・リグニン・糖分など
出典:日本住宅・木材技術センター:木材住宅3 耐久性向上の手引き11(1982)
環境のことを考えた徳島の木造建築について、詳しい資料はありますか。

建築家が考える木造建築」という冊子があります(PDFファイル)。木材を建築に使うことで、森林資源を循環させ環境を守るという理念に基づいた木造建築と内装木質化の事例を紹介しています。

木材博士&モモンガくん

ほかにも、「とくしま木育ハンドブック」を読むと、森のことや木のこと、環境のことがよくわかるよ。※PDFファイルが開きます