多くの観光客で賑わう鳴門公園内の観光施設「エスカヒル鳴門」。その一角を、多目的に利用できるスペースへと改装しました。
もともとはレストランとして使われていた空間でしたが、利用ニーズの変化を受け、コワーキングやイベントなど多様な使い方ができる場所へと再編されることになりました。
内装に木材を取り入れることで、デザイン性だけでなく、居心地や音環境といった機能面にも配慮し、観光地の新たな滞在価値を生み出す空間へと整えられています。

改装のテーマについて教えてください。
鳴門というロケーションに合う空間であること、そしてさまざまな人が利用できる多目的な場所にすることをテーマにしました。鳴門公園は、瀬戸内海国立公園の一部に指定されています。観光地としての魅力を損なわずに、新しい使い方ができる空間を意識しました。
木材を使用することになった経緯について教えてください。
当初から空間の印象を高めるために木材を使う案はありましたが、プロジェクトが進む中で「徳島県県産材利用促進条例」のことを知りました。徳島県産材を活用する方向へと方針が固まり、コストとのバランスを取りながら採用が決まりました。
設計や施工の過程で、印象に残っているエピソードを聞かせてください。
木材の不燃処理への対応が大きな課題でした。認定を取得するために県外の工場で加工を行う必要があり、納期や工程の調整に苦労しました。素材選定だけでなく、法規への対応も含めて計画を進める必要があった点が印象に残っています。
完成した空間を見た時の第一印象はいかがでしたか。
これまでの空間とは印象が大きく変わり、あたたかみのある雰囲気になったと感じました。木材が入ることで、視覚的にもやわらかい空間になったと思います。
建物について、お客様からはどのような反応がありますか。
「木の香りが良い」「落ち着く」といった声が多く、空間の印象が良くなったという評価をいただいています。以前よりもリラックスして過ごせる場所として受け入れられていると感じています。
これから店舗や施設をつくる人に、木材を利用する際のおすすめポイントやアドバイスをお願いします。
木材は空間の印象をやわらかくするだけでなく、音や光の反射を抑えるなど機能面でも効果があります。一方で、施設によっては不燃処理などの対応が必要になるため、事前に条件を確認し、余裕を持って計画することが重要だと感じています。
モニター製品[よりみちベンチ]を選んだ理由を教えてください。
展望台の利用者が気軽に腰をかけたり、滞在したりできる要素としてベンチを取り入れました。空間の中に自然な居場所をつくる役割として、用途との相性が良いと考えています。
設計者の声
松下朋生さん(マツシタ店装)
大きな施設の内装木質化は、材料の確保と法規対応が大きなポイントになります。特に不燃処理が必要な場合は、数カ月単位の時間がかかることもあるため、早い段階での確認と準備が重要です。






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